無料で学べる四柱推命
四柱推命

天干星

 天干星は年柱、月柱及び時柱に付く。日柱は自分自身の宿命や配偶者、 そして初年期(幼年期から中年期に入るまで)を表す。 年柱は生まれてから親もとで養われ独立するまでの期間を表し、月柱は中年期、時柱は老後を表す。

  それから社会的に活動する力や持っているエネルギー、そして心の働きを表している。 年柱や月柱、時柱の中で最も重きを置くのは月柱の天干星(月干星)である。
比肩
  比肩とは、兄弟姉妹、同僚、競争、闘争、独善、失敗、対立、分離、変化、原因、独立などを意味する星である。 自分自身の星であり、兄弟、姉妹、ライバルを表す星である。性格の面から見ると自分の個性を表している。

  比肩は財星を尅する星でもあります。比肩の時は詐欺に遭ったり、金銭のトラブルに巻き込まれたり、時には、 株式投資、ばくちで財産をなくしたり、金の貸し借りは最も慎まなければなりません。 四柱や五行などが良ければ、多少の苦労はあっても頑張りの利く時期ですので、 独立または新たな仕事などの変化を起こすこともありますが、あまり良い意味に働く星ではありませんので、 多くは凶星と思ってください。

  また、大運や流年にこの星が強く現れてきますと、自我が非常に強くなったり、独立心が旺盛になったり、 競争心や闘争心が強く、思いもよらない行動や言動を起こしてしまいます。このようなことから、 対人関係でのトラブルを起こしやすくもなり、また、転勤、部署の変動も起こり、苦労も多い時期となります。 肉親との死別や別離、子供の結婚などで親との分離、本人の病気など、あまり良い時期ではありません。

  例外として、四柱全てが比肩星で、地支星も旺相(冠帯、建禄、帝旺)している人は運気がとても強く、 どんな困難にもへこたれず、独自のペースで突き進んで行きます。 ちょうど大木が土の中にしっかりと根を張っているとどんな風雨にも耐えられるのと同じ事です。 これを比肩一貴格と言います。しかし地支が休囚(死、墓、絶)していれば、ただ孤独性の強い貧弱の人となります。 この判断は比肩星と他の星との関連や、地支星に何の星が回るかで吉凶が変わります。
劫財・敗財
  日干が陰の場合は「劫財」、日干が陽の場合は「敗財」となります。意味は比肩と大体同じですが、 「劫」や「敗」が財の上に付いていますから、お金が入るのではなく、奪い取ったり取られたりすると言う意味です。 ですから財を生じる「正財」、「偏財」とは全く反対の星です。
  この星は崩壊、厭(えん)世(せい)、偏向、義理の兄弟姉妹、破綻、怠慢、浮沈などを意味する星です。 前の比肩は、地味で着実な性格ですが、これに対して劫財・敗財は、うぬぼれも強く、身勝手、金銭感覚も乏しく、 すべてがずぼらなため、時には投機などで破綻を招いたりする恐れがあります。

  また、性格としては浪費家であったり、人に対して強引に物事を押しつけたり、 何事につけても自分を主張する事が多いようです。いわば自分の欲求、欲望を人一倍満足させなければ収まらない星なのです。 時には道徳や常識を無視して行動する事もありますので、常に自分を抑える為の努力をする必要があります。 この星がある人に有名人は少ないようです。例外として劫達の命(劫財と食神が調和している場合のみで敗財は別)は 宝くじに当たったり、財を成したり、有名になったりする事があります。
  敗財の場合、劫財のような強烈なものではなく、自ら進んで墓穴を掘ってしまう、弱気の失敗という星です。 しかし、性格の面で、個性の強い点ではよく似ております。
食神
  衣食住、健康、生命、安定、遺産、保守、弛(し)緩(かん)、過剰、色情、飲食、部下、子供などを意味する星です。 食神とは字のごとく「食物の神様」です。この星がよく働けば一生食べる事には不自由しません。 金銭的にはどんなに貧乏しても不思議と食べ物には困らないのです。 この星は命式のどこにあっても良いとしますが特に生月や生時につくものは財宝、食物豊かになり、 人柄も寛大でのんびりムード、体型は太った人が多く、寿命も長く、子供に恵まれます。

  しかし、これが『偏印』と並ぶと倒食(とうしょく )と言って、食を倒す働きをしてその福禄が奪われたりします。 これを中和するには、財星をもってします。この食神は財星を助ける働きをしますので、正財、偏財と並ぶのを吉とします。 食神・財星は女性にはとても良い星ですが、男性の場合は官星や比肩星がないと、優しすぎて迫力に欠け優柔不断な性格になります。

  食神が月干と年干共に出ていれば仮傷官(かしょうかん)と言い、表向きは食神の感じでのんびりムードに見えても、 内面は非常に感受性が強く、気が小さい人が多いようです。またこの仮傷官と似た形で、 五行の食傷に星が固まる場合は、過ぎる傷官、すなわち「過傷官」といいます。
傷官
  焦燥、破壊、闘争、感情、気位、裁判などを意味する星です。 字のごとく官星(正官、偏官)を傷つける星です。これは感情の星です。 喜怒哀楽が激しく、神経がピリピリしたり、イライラしたり、気位が高いようです。 また物事を中途半端にしておけない、白黒をはっきりさせる性格です。 体型はやせ形であごが尖っている人が多く、女性は美人タイプです。 「佳人薄命」と言われるように、傷官は手術、病身、事故、災害の星ですから、四柱が悪いと長生きできません。 女性が持ちますと、ヒステリックを起こしやすく、通称「かまきり四柱」と言うように男性をやっつけてします星です。

  しかしこの傷官は食神と同じように財を生じる星ですから、食べるに事に困る事はありません。 直感力、第六感が人一倍強いので霊能者に多い星です。賭事にも強い星です。 傷官は財星と並ぶと安定しますが、官星を尅しますので官星と並ぶと多くの災いが降りかかって来る事があります。 さらに傷官は印星(印綬、偏印)と並ぶと、非常に頭脳明晰となり、幼少期より英才教育を施せば天才的な能力を発揮しやすい星です。 しかし、命式が悪くなった場合は、天才とは反対の気狂い、ノイローゼ、精神病と言った事にもなりかねません。

  大運、流年などに現れてきますと、精神的に不安に陥ったり、感情的な言動、行動が強く、 対人関係でのトラブルが持ち上がることが多く、訴訟問題もこの時期に多く発生するので注意すべきです。
偏財
  投資、奉仕、期待、商業、仲介、派手、財力、繁栄、良縁、信用、正義、期待などを意味する星です。 性格は温厚で明るく、女性にあっては家庭的な人が多く、良き妻となって主人を助けます。 しかし、金銭の面では家庭のやりくりは下手です。食傷星が出て、財を生ずる場合、最上の妻となります。 男性は金銭感覚は強く経済的な関心が深く、事業欲の旺盛な人となりますが、男性としての迫力は欠けます。 偏財は回転する財と考えますので、資本を回しながらもうけていく資本家には、良い星です。 また悪に対して憤る心も強く、正義の見方となって悪に立ち向かっていきます。 そしてその為に財を惜しまず、打算を越えて義理の為に尽くしたりします。財星は比肩星と並ぶと良くありません。

  比肩星によって財が尅される為、賭事が好きで、負けると分かっていてもずるずると金を流してしまう人になったり、 浮気をしたりします。四柱に偏財・偏財、偏財・正財、または正財・正財の並びを多財身弱と言い、 生涯金銭には不自由しませんが、貯める事が出来ず金持ちにはなれません。 また、四柱に財星が二つ以上並んでいなくても、五行の財星の位置に丸が四つも五つも固まっていれば、 同じような現象が起きます。多財身弱の人は性格的に優しいので、女性が持つと世話好きで良いのですが、 男性が持つと優柔不断になったり、お人好しの為女性の誘惑に陥って身を滅ぼしたりしますので、注意が必要です。

  財星を多く持っている人は片づけ事も苦手なようです。また、年を取ると太りやすくなります。 財星は食傷や官星と並ぶのが良いとされます。ただし、官星が強い人(偏官または五行の官星に星が固まった場合)は 財殺の命と言い、財が大きく流れるような事が起こります。

  大運、流年にこの星が現れてきますと、不動産の購入や物を獲得する時期となります。 愛情問題や結婚、仕事の拡張など、積極的に社会に働きかける時期と考えてください。 四柱が良ければ、安定の運気です。投資などで財を作る、チャンスかもしれません。
正財
  金銭、財産、商工業、慎重、収穫、計画、計算、固定などを意味する星です。 正財は動かない財です。毎月のサラリーのような財です。コツコツと貯金をしながら用心深く、 固い方法で資産を運用したりします。四柱上に財があり、地支が応ずるならば、常に安定した財の恩恵にあずかれる良い星です。

  しかし正財も多く集まれば偏財と同じような意味になり(多財身弱)、財はすぐ流動します。財星は「子宝」と言う意味もあり、 (財星が多いとたくさん子供に恵まれます。これとは反対に財星が全くなく、しかも傷官が強く働きますと子供が出来にくい人になります。 そういう場合は、)財星の流年、大運の時にさずかる可能性が高くなります。

  大運、流年にこの星が現れ、地支が応ずる場合は財が入ります。地支が死、墓、絶の場合は、 逆に出財が多くなり、また時には財に苦しめられる場合もあり得ます。
偏官
  権力、威厳、異動、失職、転任、不和、障害、闘争、転居などを意味する星です。 偏官は比肩より数えて七番目に当たり、強過ぎる星のため、七殺しとも呼ばれています。 四柱や五行によって、悪く働けば争いを起こし、あるいは敵となって善意の人々を苦しめます。

  しかし、良く働けば、逆に正義感が強く、頼もしい人間になります。 偏官の時期には特に協調性を持ち、人の意見に素直に従うように心掛けないと、 人間関係のトラブルに巻き込まれる懸念があります。転勤・異動などの時期でもあります。 仕事や会社の異動変化を考えたり、引っ越しを思い立ったり、なかなか忙しい時期となります。 人情的な面も強く、人のために苦労したり、相性が合わない結婚の場合、この時期に離婚に踏み切ったり、 耐えて時期を見るより、すぐ行動を起こし失敗してしまいます。静かにこの年の去るのを待つのみです。

  また正官よりも偏官の方が積極性、行動力があり、苦難に耐え抜く力があります。 しかし運命的安定と言う意味では正官の方が安定します。

  偏官は食神や印星が出る(官印両全(かんいんりょうぜん)の命(めい)という)と安定しますが、 財星が共にあって食傷や印星がないと財殺の命になり、災難が降りかかって来ます。 それは財星が固まれば次の偏官を生じるので偏官の勢いが強まるためです。

  また五行に星が七つ以上あればたとえ四柱に官星と財星が出ていなくても財殺になり、 金銭上のトラブル、保証人で失敗したり、詐欺に遭ったり災難が襲って来ます。 さらに四柱に星が七つ未満であろうとも流年運や大運に財官が出ると、その期間だけ財殺になる事があります。
正官
  権力、権威、身分の発展、結婚、入学、選挙、官位などを意味する星です。 四柱上にある場合は、主導性を持ち、発展向上の星です。地支が応じ、五行も安定の場合、正義感も強く、 他人の信望も厚く、自己確立の星です。偏官がブルーカラーに対して、正官はホワイトカラーを意味します。 正官は財星に次いで福を成す星です。気位が高く、権勢を好み、威張り屋となります。

  昔中国ではこの官星が最高の星とされました。官位さえあれば金も手に入ったからです。 しかし現代社会では官位よりも財の方を重んじる人が増えておりますので、四柱に財星があるのが良いとされています。 勿論、財官ともにあれば(財殺にならない事)双美の命と言って非常に良い命式になります。 それに加えて印星があれば、最高の命式で三宝の命と言い、全てに恵まれます。 つまり、地位(官)、名誉(印)、金(財)に恵まれると言う事です。しかし、愛情面までも恵まれるという保証はありません。 いずれにせよ、この正官を持っていれば(出来れば月上)社会的に安定しますし、出世コースを歩む事が出来ます。

  大運や流年にこの星が出ますと、地位名誉上昇の確率も高く社会的な信頼度も強く男性の恋愛や結婚の一番良い時期となります。 新設会社の創立、支店、営業所の拡張、設立などには最上の時期です。官僚、民間企業の上級への昇進の時期でもあります。 また、入学、選挙、転職など最も適している時期となります。 しかし、四柱上に二つ並んだり、五行に官星が固まったりすると、七殺となってせっかくの吉星も凶星に変化してしまいます。 大運、流年の時に中和の星(食神、印綬)が現れるならば、凶害を避けることができます。

  「官殺」通称「かんからかん」と言い、正、偏の区別なく官星が四柱天干星に二つ以上現れるものを言います。 性格は一見おとなしそうに見えますが、言い出したら聞きません。じっくり考える事はなく、思ったら即行動に移すタイプです。 鼻柱が強い割りには粘りがなく、ちょうど柿の木のように、外見は固そうに見えても芯が弱くすぐ折れるのと同じです。 また転職も多く、一つの仕事をコツコツとやり遂げる人ではありません。女性は離婚しやすく、恋人を次々と変える人が多いものです。

「官殺混雑」官星に比肩星(比肩、劫財、敗財)が加わる命式で、五行の安定がなければ波乱万丈です。 五行が安定していれば、ガタガタしながらも出世する事が出来ます。行動がはっきりしていて好奇心が旺盛で、 「エレベーター四柱」と言われる程、上がったり下がったり運気の浮沈が激しいものです。 また非常に現実的で自信家です。官殺混雑の人は、悩んでも立ち直りが早いので、自殺する人はまずいません。
偏印
  災厄、孤独、病気、宗教、別離、損失、芸術、芸能、取り越し苦労などを意味する星です。 偏印、印綬の星は思慮深く、学問、芸術に秀でますが、死墓絶が出ればせっかくの才能も充分発揮出来ません。 偏印は、古典的な芸能事を修める人や、その指導者になったり、宗教的観念も強く、中には名僧となる、特殊な星です。

  また財星から尅されますから財布の紐を固く締めてケチになります。偏印はまた病気がちであったり、 身体は小さくやせているのが特徴です。もし太っていれば肉に締まりがなく、ブクブクと脂肪太りとなります。 そして気が小さく臆病な人です。

  この星は食神を倒すために、「倒食」と言います。四柱に食神が共にある場合だけでなく、 大運、流年に偏印が出た場合も、倒食となります。 もし並んでいれば、偏印を尅してくれる財星(正財よりも偏財の方が力が強い)が四柱にあれば安定します。 ただし性格的には迫力がありません。

  印星は比肩星から始まって最後の星ですから、後になればなるほど効果が出て来ます。 例えば、芸術家で若い時に苦労して晩年になってやっと人気が出て来たり、頭が冴えて五十の手習いでいろいろな事を勉強してみたり、 やたらと口うるさくなったりします。しかし悪く働きますと、慢性病で苦しんだり、神経病やリュウマチなどで苦しむ方もあります。 また愚痴っぽくなったり、ボケたりします。

  大運、流年などに偏印が来た場合、行動力が弱く、先々の心配などで取り越し苦労が多くなります。 気分転換をして、気持ちを変えて過ごさなければなりません。 前にも述べましたが、印星は官星と並ぶと、両全の命になり、とても良い命式になります。
印綬
  学問、知識、礼節、端正、信望、安楽、事の結末、宗教などを意味する星です。 印綬は名誉を表します。地位を守る事ができ名声も博します。受勲され功績を称えられる意味を持ちます。 信頼、信用、名誉など人間として欲しい星です。平和や安定、または独創的な発明、発見、教授。文章をコツコツ書くなど、 地道な仕事を一段と高く押上げ評価される星です。謙虚で控えめな性格の方が多いようです。 しかし、五行などにこの星が固まると、口うるさい理屈屋で付き合いにくい理論家になってしまいます。 偏印と似ていますが、偏印と比べるとより安定した星と言えます。

  印星と官星が並ぶと官印両全の命と言い、貴命とし富貴の全きものとします。 さらに財星が加われば既に述べたように、三宝の命となります。 印星が四柱に二つ以上あれば多印身弱となり、積極性がなくなり、一発勝負には向きません。 コツコツ型で研究者に向いています。女性にあれば決断力が弱いため婚期を逃したりします。

  また結婚しても子供の縁が薄く、物事に細かくうるさい人が多いようです。 印星は比肩星から見て最後の星ですから、晩年になればなる程印綬の力が強く働きます。