暦の用語説明
暦
暦の中の用語説明

六曜(ろくよう)

先勝(せんかち):午前中は吉、午後から凶、物事を先んじで吉となる
友引(ともびき):「凶事に友を引く」から、葬儀などの凶事は避ける日
先負(せんまけ):午前中は凶、午後は吉、急がば回れの精神で焦りは禁物の日
           沈着冷静な判断が必要な日、勝負事には凶日
仏滅(ぶつめつ):全日において大凶、祝い事の吉事には凶
大安(たいあん):全日において吉の日、結婚式などの吉事に使用される
赤口(じゃっこう):午の刻(11時から13時)のみ吉、それ以外は凶

一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)

 一粒万倍とは、一粒の籾(もみ)が万倍にも実る稲穂になるという意味です。一粒万倍日は何事を始めるにも良い日とされ、 特に仕事始め、開店、種まき、お金を出すことに吉であるとされます。
一粒万倍日は数が多いことから、他の暦注と重なる場合があります。その場合、吉日と重なったら一粒万倍日の効果が倍増し、 凶日と重なったら半減するといいます。

天赦日(てんしゃび)

 選日・雑注にも入れられます。字の如く天が赦す日というわけで、極上の大吉日といわれています。 特に婚姻には良い日といわれます。現代でいえば祝祭日と大安が重なった日といったところでしょう。この日は、 百神が天に昇る日とされ、天が地上の万物を生養し、その罪を許す日であるといいます。

※天赦日は次の日となります。
 立春より後の戊寅の日
 立夏より後の甲午の日
 立秋より後の戊申の日
 立冬より後の甲子の日

不成就日(ふじょうじゅび)

 何事も成就しない日とされ、結婚・開店・子供の命名・移転・契約・芸事始め・願い事など、事を起こすことが凶とされます。

三隣亡(さんりんぼう)

 三隣亡は少し前までは建築関係者の大凶日とされ、棟上げや土起こしなど建築に関することは一切忌むべき日とされました。 その字面から、この日に建築事を行うと 三軒隣まで亡ぼすとされたためです。現在でも、棟上げなど建築に関することの凶日とされ、 建築関係の行為は避けられることが少なくありません。高い所へ登ると怪我をすると書いている暦もあります。

二十八宿(にじゅうはっしゅく)

 二十八宿は、古代中国の星座を示しています。もともと、二十八宿は月の天球上での位置を示すために用いられたもので、 純天文学的なものでした。これが年月日に配当されて、それに付随して吉凶が与えられたものです。この二十八宿は、中国からインドへ渡り、 宗教上の理由から牛宿を除く二十七宿となり、主に日の吉凶を判断するのに用いられていました。

それが唐時代に七曜とともに「宿曜経」として中国に逆輸入され、それが空海によって日本に伝えられたといわれています。 日本でも、最初は二十七宿を使用していましたが、貞享改暦以後は二十八宿を使用するようになったようです。 また、八世紀初頭の貴人の墓といわれている高松塚古墳には、二十八宿の宿曜図が描かれており、 二十八宿は空海が伝える以前からあったのではないかと推測されています。

二十八宿 吉凶説明

1 角(かく) 着初め・建築・棟上げ・婚礼は吉 :葬式は凶
2 亢(こう) 物品の購入・衣類仕立て・婚礼・種まきは吉 :造作は凶
3 ?(てい) 婚礼・開店・新規事業開始は吉 :着初め・造作は凶
4 房(ぼう) 婚礼・旅行・移転・棟上げ・新規事業吉
5 心(しん) 神事・仏事・移転・旅行吉 :婚礼・造作は凶
6 尾(び)  婚礼・開店・移転・旅行・移転・造作は吉 :着初めは凶
7 箕(き)  動土・物品の仕入れ・集金・造作は吉 :葬式・婚礼は凶
8 斗(と)  動土・新規事業・倉庫の建築は吉 :それ以外は凶
9 牛(ぎゅう)万事に用いて吉 鬼に次ぐ吉日
10 女(じょ) 習い事始めだけ吉 :婚礼・葬式・ほとんどが凶
11 虚(きょ) 入学学問始め・着初めは吉 :相談・訴訟・造作は凶
12 危(き)  壁塗り・船の建造・酒造り吉 :登山・高所での仕事は凶
13 室(しつ) 婚礼・祝い事・神仏祭祀何事にも吉、造作吉
14 壁(へき) 新規事業の開始・旅立ち・婚礼大吉、造作吉
15 奎(けい) 宮造り・棟上げ・井戸掘り・神仏祭祀・旅立ちは吉
16 婁(ろう) 動土・結婚相談・契約・取引始め・造園吉
17 胃(い)  就職・婚礼・造作は吉、公的な事も吉 :それ以外は凶
18 昴(ぼう) 神仏祭祀・移転・旅行吉 :造作は凶
19 畢(ひつ) 神仏祭祀・取引開始は吉 :婚礼は凶
20 觜(し)  習い始め・山仕事・運搬はじめに吉 :造作は凶
21 参(しん) 物品仕入れ・祝い事は吉
22 井(せい) 神仏参詣・種まき・動土・建築・落成式など吉
23 鬼(き)  大吉日、婚礼以外は何事も吉
24 柳(りゅう)物事を断るには吉 :婚礼・新規事業の開始・葬式は凶
25 星(せい) トイレの改築吉 :婚礼・祝い事・種まきは凶
26 張(ちょう)就職・お見合い・婚礼は吉
27 翼(よく) 耕作始め・植木の植え替え・種まきは吉
28 軫 (しん) 地鎮祭・棟上げ・落成式・神仏祭祀・祝い事は吉

十二直(じゅうにちょく)

 十二直は、日々の吉凶を看る為のもので、古くは中国より伝えられており、正倉院にある具注暦にも記載されているものです。 北斗七星の柄の方向から配置されたもので、昔の暦の記述が上・中・下段に別れていたうち、中段に書かれたことから、別名「中段」とも呼ばれております。

 現在でも、中国では建除十二神といい良い日を選ぶときの目安として使用されております。勿論、これだけで日を選ぶのではなく、 あくまで参考として使用されているようです。二十八宿と合わせてご覧頂くと、より一層良い日を選ぶことが出来ます。

十二直 吉凶説明

建(たつ)  新事業開始、婚礼、旅行、棟上げ、柱立て等吉。
       :敷地内の動土、蔵開き、舟乗り始めは凶。
除(のぞく) 医者にかかり薬を飲むこと、種まき、井戸掘りは吉。
       :敷地内の動土は凶。
満(みつ)  新事業開始、移転、旅行、婚礼、増改築など全てに吉。
平(たいら) 婚礼、新事業開始、地固め、柱立て、種まき、移転、祝い事など全てに吉。
       :井戸・池・溝などの穴掘りには凶。
定(さだん) 植木の手入れ、旅行、訴訟などは凶。
執(とる)  婚礼、種まき、井戸掘り、造作等は吉。
       :財産整理・金銭出納は凶。
破(やぶる) 全ての善なる行事(神仏祭祀、普請、造作、移転など)に対して凶。
       :訴訟、交渉事は吉。
危(あやぶ) 危険が伴うとされ、全ての行事に対して凶。
成(なる)  婚礼、結納、新規事業開始、開店、種まき、普請、造作、移転は吉。
       :訴訟、交渉事は凶。
納(おさん) 新事業開始、作物の取り入れ、物品買い付け、買い入れ、新築など吉。
       :婚礼、見合いなどは凶。
開(ひらく) 婚礼、旅行、井戸掘り、増改築などは吉。
       :葬式などの不浄事は凶。
閉(とづ)  井戸閉塞、トイレ工事・墓造作は吉。
       :結婚・棟上げ・開店などは凶。

二十四節気

 二十四節気は、太陰暦の日付と季節を一致させるために考案されたもので、日本では1872年まで使用された太陰太陽暦のひとつです。 一年っを24等分にして、その区切りにそれぞれ名前をつけました。節気のそれぞれの日付は、年ごとに微妙に変化しています。
二十四節気一覧
1月
小寒:本格的な冬の季節。しかし、寒気が最高に達していないので小寒といいます。

大寒:極寒の時期。しかしこれを境に、徐々に春へと向かいます。
2月
立春:まだ寒さは厳しいのですが、日差しは徐々に伸び、梅が咲き始める所も。陰暦においては、正月元旦で、この日から春となります。

雨水:降雪から降雨に替わる頃という意味で、深く積もった雪も溶け始めます。春一番が吹き、南の方ではうぐいすの鳴き声が聞こえ始めます。
3月
啓蟄:冬眠していた虫が穴から出てくる頃という意味です。また、草花も芽を出して、花を咲かせ始めます。

春分:この日を挟んで、前後7日間が「彼岸」です。これからは、昼の時間が長くなっていきます。
4月
清明:清浄明潔の略。百花が咲き競う季節でもあります。

穀雨:田畑の準備が整い春の雨が降る頃です。天気も安定し日差しも強くなります。
5月
立夏:野山は新緑に彩られ、夏の気配が感じられるようになります。この日から立秋の前日までが「夏」です。

小満:陽気がよくなり、草木などが成長し、豊かに生い茂るという意味です。
6月
芒種:稲の穂先のように、芒(とげのようなもの)のある穀物の種まきをする頃という意味です。現在の種まきは、もっと早く行われます。

夏至:紫陽花など雨の似合う花が咲きだします。一年中でもっとも昼が長い時期です。
7月
小暑:梅雨明けが近く、本格的な暑さが始まります。集中豪雨にも見舞われます。

大暑:もっとも暑い頃という意味です。夏の土用の時期であり、空にはそびえるような高い雲が見られます。
8月
立秋:残暑が厳しいですが後は涼しくなるばかりです。この日から立冬の前日までが秋。この日以降は暑中見舞いでなく、残暑見舞いになります。

処暑:暑さが止むという意味です。朝夕には心地よい涼風が吹き始めます。台風シーズンでもあります。
9月
白露:野原ではすすきの穂が顔を出し、秋の趣が急速に感じられます。

秋分:秋の七草が咲きそろう頃で、秋彼岸の中日でもあります。暑い日が減って涼しい日が増えます。
10 月
寒露:冷たい露の結ぶ頃です。山では紅葉が始まります。

霜降:霜が降り、早朝は草木が白い化粧をしています。紅葉が盛りの頃です。
11 月
立冬:昼の時間はしだいに短くなり、時雨が降る季節です。初雪の見られる所も。この日から立春の前日までが冬となります。

小雪:平地でも初雪が舞い始めます。日差しは弱まり、冷え込みが厳しくなります。
12 月
大雪:池や川に、朝夕に氷結が見られます。霜柱を踏むのもこの頃からです。

冬至:一年中で最も夜の長い日です。この日から日差しが伸び始めることから、昔は年の始点と考えました。かぼちゃを食し、ゆず湯に入る慣習が残っています。